ポルトガルの旅 Quinta dos Roques

私たちが今注目しているポルトガルワイン。この歴史は長く、決して真新しいものではありません。

紀元前5世紀頃には既にワイン造りをしていたポルトガルは、ポートワインやマデイラなどの酒精強化ワインなども生み出し、ヨーロッパの中でも、ワインの産地として注目されるまでになりました。
でも、20世紀中盤以降、サラザール独裁政権の下、半鎖国状態が続いたことから、ポルトガルワインは他の国に輸出されることなく、ポルトガルだけで消費されるようになってしまいます。
しかし!1974年のカーネーション革命の後、1986年にポルトガルがEUに加盟したことによってポルトガルワインが世界に羽ばたくようになりました。

それをきっかけに、元々、ワイン産地として長い歴史を持つポルトガルでは、EUのバックアップもあり、美味しくて素晴らしいワインがどんどん造られるようになりました。

ほとんどの場所でブドウが栽培されているポルトガル。南北600km、東西200km。面積は北海道の1.1倍ととても大きいとは言えない国ですが、この小さな国土の中でも、多様な気候風が手伝って、ポルトガル固有のブドウの品種は250種類以上!というから驚きです。
品種の多さは世界一なんだとか。ポルトガル、やるじゃん!!すごいじゃんっっ!です!

それから♪ポルトガルは、私たち日本人と一緒で、お魚やお米も食べる国なんです。だから、日本人の口にもポルトガルワインは合うと言われているようです。




さて。
ポルトガルの旅。
次に訪れたのは同じくDaoは、Nelas(ネラーズ)というこれまた小さな町。
Daoという場所では欠かすことのできないワイナリー、Quinta dos Roquesです。


このワイナリーを取り仕切るのは、元々、数学の教師をしていたルイス・ローレンソです。
奥様の実家がワイナリーだったということから、この、Quinta dos Roquesで働くようになりました。(優しい、、、)

終始ニコニコでとても優しいルイス。




ポルトガルのワインは元々、様々なブドウをブレンドして造ることが一般的でした。
というのも、むかーし昔からブドウを造っていたポルトガル。多品種のブドウを同じ畑で混植しているのが当たり前でした。

でも、その"当たり前"を、紐解こう。
そう思ったのがQuinta dos Roquesのルイス。数学の先生をしていたからでしょうか。答えをみつけたくなったのかもしれません。赤ワインは赤ワインでもどんな赤ワインなのか。白ワインは白ワインでもどんな白ワインなのか。ひとつひとつの葡萄の味わい、性質、役割などを紐解き、より素晴らしいブレンドワインを目指すと共に、一つの品種でのワインをつくることを考えるようになりました。

そして見事、Daoの主要品種であるトゥリガ・ナショナルや、エンクルザードを使って単一品種のワインをつくりあげたルイスのワインは、ワイン&スピリッツ誌でポルトガルワインの最高得点を獲得するまでになります。

それまでは、これらのブドウ単一で造られたワインが認められなかったDao。しかし、Daoの外でこの単一品種のワインがここまで認められてしまったからには、Daoのお偉いさんたちも認めるしかありませんでした。

今では当たり前のように単一品種のワインが造られているDaoですが、この背景には、ルイスの功績があったのです。

Daoの伝統ある品種を使いながら、現状維持ではなく、新しいことにチャレンジする精神。
きっと、簡単なことではなかったと思います。ですが、Daoの未来をこの単一品種ワインに託したのだと思います。





セラーには、何十年も昔のワインが寝かせられていました。



ルイスは、Quinta dos Roquesという畑の他に、Quinta do Correio、Quinta das Maiasという畑も持っていて、Quinta das Maiasという歴史ある畑は、2007年からビオに転換をしました。5月になると黄色のマイアというかわいい花が咲くことから、畑の名前は、キンタ ダス マイアスと呼ばれるそうです。



ポルトガル最高峰のセラ・ダ・エストレラを望む場所はとーっても綺麗な場所でした。




それから、Quinta do Correioという畑。このCorreio(コーレイヨ)とは、郵便局とか、郵便配達員という意味があるそうなんですが、実はこの畑、かつて郵便局員が持っていた畑だったことから、この名前がついたそう。


そして、この畑でとれた葡萄で造られたワインには白ワインには青いキャップ。赤ワインには赤のキャップがついていて、実はここにもおもしろいストーリーがあって、白ワインはフレッシュな状態で飲んでね。ということで速達のポストと同じ青色が。赤ワインはゆっくりと熟成させていくという意味で普通郵便ポストと同じ赤色が使われているんです♪
それに合わせてラベルは、切手のようなデザインになっています。
かわいくて歴史あるストーリーにワインってやっぱりおもしろい!と思いました。


ほら一緒!!!



そんな素晴らしいワインたちを、私たちは、次から次へと飲ませて頂きました。


特に驚いたのは、エンクルザードというブドウで造られた白ワインです。
樽からくる味わいと相まって、ウィスキーのようなニュアンスがあり、今までに飲んだことがない新鮮な白ワインでした。
寝かせるとまたどんどんおもしろくなると聞き、ニヤニヤ。
recifeにもこのワインがあるので、大切に寝かせてみようと思います。



酸味が特徴のDaoのワインは、最初はもしかしたら飲みにくい。。なんて思う方がいらっしゃるかもしれませんが、これがおもしろくて、知らぬうちにこの酸味を欲っする時がくるんです。(笑)
私がまさにそうでした。
それは、尖った酸味ではなく、ブドウの特徴、この土地の特徴をしっかりと表現した綺麗な酸味だからだと思います。
そんなDaoのワインを変えたルイスのQuinta dos Roques、Quinta das Maias、Quinta do Correioのワインはrecifeにも届いていますので、ぜひ飲みにいらしてくださね♪

Recife Wine Stories

recifeのワインは、ポルトガルのワインをメインにお客様の好みに合うものを厳選してセレクトしています。 一人りでゆっくり飲むも、仲間で気持ち良く飲むも、ワインは私たちを、楽しい時へと誘ってくれます。 そんなワインのことを、もう少しご紹介できたらとこのブログを始めました。 ワインの数だけワインのストーリーがあります。 ぜひ覗いてみてください。

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